永遠のベストセラーと呼ばれる「聖書」について学んでみませんか。
講師は、昨年、新しい翻訳聖書を出版したばかりの裏方さんです。
2019年度★特別聖書セミナー★
6月30日(日)、10時30~12時10分
1部(礼拝)「なぜ聖書を翻訳し続けるのか」
2部(セミナー)「聖書協会共同訳の背景と特徴」
講師:島先克臣氏
日本聖書協会編集部主事補
1954年生まれ。3児の父。牧師、宣教師(フィリピン)。
英国グロースターシャー大学にてヘブライ語言語学で博士号取得。
フィリピンのアジア神学大学院准教授を経て、聖書協会共同訳翻訳事業のコーディネーターとして責任を持った。
(1) 礼拝、10:30~11:10
「なぜ聖書を翻訳し続けるのか」
イスラム教などと違い、キリスト教は聖書を現地語にひたすら翻訳し続け、その翻訳聖書を「神の言葉」、聖典としています。それはなぜなのでしょうか。
(2) セミナー、11:20~12:10
「聖書協会共同訳の背景と特徴」
日本では、70パーセント以上のキリスト教会が日本聖書協会の聖書(口語訳、新共同訳)を使っています。この度、聖書協会は、31年ぶりに、新たに聖書を翻訳・出版しました。今までの新共同訳、あるいは新改訳2017と比べ、どのような特徴があるのでしょうか。(※質疑応答の時間も用意しています。)
すでに終了した
「聖書セミナー」ⅠとⅡもちょこっと紹介しておきます。
2019/3/31 「聖書とストーリー」
キリスト教の正典である聖書には、全体を一つに括るナラティブがある。それは創造から新創造へと繋がるストーリーである。このストーリーの大部分は、中東のとある一家族の繁栄に焦点が当てられている。しかし一家族に特に関心が絞られているからといって、創造主である神が他の民族や世界に関心を失ったというのではない。むしろ、神はこの一家族を選び出して(世界を)救出に乗り出そうとしたのである。旧約聖書正典の最後にどの文書が置かれるかはさておき、このストーリーはいまだ結末に至っていない未完の物語である。……この未完のストーリーの最後が示しているのは、創造主の癒しをもたらすために選ばれた民自らが救出と回復を必要としているということである。(N・T・ライト、『聖書とストーリー』)
聖書は様々な「ストーリー/物語り」で構成されています。
(1)創造者なる神が「一家族」を選び祝福するという「一つの大きなストーリー」
(2)この家族/民族は様々な困難に遭い救出を経て「約束の地」に入り王国を築く
(3)この王国の繁栄と分裂、帝国による侵攻・捕囚と帰還
旧約聖書に綴られたこの一家族/民族の大小様々なストーリーに見え隠れしながら現わされてきた「神の導き」が、イエス・キリストにおいて実現し、その目的と方向が示される(新約聖書)。
2019/5/26 聖書セミナー(2)
1879年、メソポタミアのバビロン(現在のイラク)で発見された「キュロスの円筒印章(The Cyrus
Cylinder)」と呼ばれる約25㎝の粘土で作られた円筒。
この「円筒印章」には、バビロニアの楔形文字で、ペルシャのクロス王が(紀元前)539年にバビロンの神マルドゥクの導きによってバビロンを制圧し、人々をナボニドス王の圧政から解放したこと、そしてクロス王によって善政が行なわれることが布告されている。
このクロス王の大改革の一つがバビロンに捕囚されていたイスラエル民族を祖国に帰還させ神殿を再建させることであった。エズラ1:1-5、Ⅱ歴36:22-23
このような国際政治的出来事の背後に(バビロン神マルドゥクではなく)ヤハウェがいることを預言者イザヤが言及している。イザヤ44:28、45:1-7