たいてい散歩のお供となるのが「音声ファイル(mp3)」だ。
音楽ではなく、様々な講演を歩きながら聴く。
ジャンルはある程度限られていて、多分一番多いのは聖書学、特に新約聖書学の講演だ。
今日はベイラー大学(アメリカ、テキサス州)に招かれて講演した、マーカス・ボックミュール教授の
という題の講演だ。(聴きたい方は→音声ファイル)
これを聴いたわけだが思いのほか面白かったので記事にしてアップすることにした。
ペテロが「イエス伝承」と「パウロ伝承」を繋ぐ役割を持っていたのではないか、ということを4人の高名な研究者(エド・サンダース、ジェームズ・ダン、ドミニク・クロッサン、N.T.ライト)の多大な研究の中からペテロのこの可能性を割り出すための資料を取り出し、それを評価する・・・という内容の講演だ。
個人的な印象を言うと、
新約聖書研究というと幾つかの独立峰的研究課題(ヨハネ文書、黙示録、ヘブル書、など)を除くと、大半は(キリスト教の成立の二大貢献者と目される)「イエス研究」と「パウロ研究」になり、いわばこの二つがメジャー・トピックのようになっている。
だからボックミュールのこの二大人物を橋渡す役割を果たしたと思われる「ペテロ研究」は、半分メジャーで面白いのではないか・・・などと思った次第。
さて、英語を「聴く」のはダメな方は、この講演の内容が出版された本の1章として納められている。
Markus Bockmuehl,The Remembered Peter: In Ancient Reception and Modern Debate.
(WUNT I 262; Tübingen: Mohr-Siebeck, 2010).
ちょっと専門的な内容なのでなんだが、ざっと概観するだけなら、二つの書評を参考にすると良いのではないか。
(1)簡単な方の書評(セメリオス所収)
(2)かなり本格的な書評(このうちの[6]がこの講演に該当するもの)
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