その6日前に
ICYMI: Martin Marty's latest is now up at @RNS https://t.co/qoOnsjSq4Y— Sightings (@DivSightings) 2018年1月16日
のツイートで(シカゴ大神学部)マーティー名誉教授がその辞任騒動に言及していたのでリンクされたCT記事(1月10日)には一応目を通していた。
で、今日(1月23日)になるまでCT(クリスチャニティー・トゥデー)誌が伝えたように(某オンライン・クリスチャン情報誌の記事内容も基本CT記事と同じ)、辞任・退職の背景は単なる「金銭面での不適切な取引」に端を発する幕引き(陣容一新)事件と思っていた。
そうしたら今日RNS(Religion News Serviceなど)のジョナサン・メリット記者が同校での10年に及ぶ「人種差別問題」との取り組みが辞任騒動の背景にあることを伝えた。
How White Privilege Is Destroying One of America’s Oldest Bible Colleges: Students and faculty at Moody Bible Institute report more than a decade of white aggression and resistance to diversity initiatives.たまたまなのだがこの記事を読む直前、あるインタヴュー番組(ネット配信)を聞いていた。(もしこの番組で多少とも人種問題の根深さに敏感になっていなければ、へーそんなもんか・・・で終わっていたかもしれない。)
そのインタヴューとはクリスチャン・ピチオリーニという元ネオナチ・グループで暴れていた若者が、後に更生して自伝を書き、同様の若者たちがネオナチのようなグループに取り込まれないよう活動についてだった。
これもたまたまなのだが、このクリスチャン・ピチオリーニ氏も(ムーディー聖書学院がある)シカゴの人であった。
番組の終わりの方で「ピチオリーニ氏が関わる人種差別問題への啓蒙活動への政府援助」がオバマ大統領からトランプ大統領に代わった途端「打ち切られた」ということが話題に挙げられていた。
なぜ打ち切られたのかの「説明はなかった」という。(憶測だがトランプ支持のオルト・ライト層を意識してのものではなかったか、と述べていた。)
実はこの部分と、メリット記者の上掲記事の最後の方にある部分とが結構ピタリと重なった(ように感じた)。
メリット記事によると辞任したポール・ナイキスト元学長は、人種差別問題に対して(少なくとも)以前より「前向きに取り組んでいた」という。
しかし、以下に引用するように人種(的)な差別が「給付金」という形で存在しており、ナイキスト元学長はこの問題の存在についても認め対応に取り組んでいたことを示唆している。
Pendleton says that Nyquist’s engagement on these issues went well beyond mere sentiment. After Pendleton took over leadership of Embrace, he realized that leaders of all but two student groups received stipends from Moody—all except Embrace and the Jewish student group, Kesher. Though Pendleton “never made a big issue of it,” he received an unexpected email from Nyquist apologizing and offering Embrace leaders a stipend like the others.メリット記者の記事は全体として、米福音派がこれまで人種問題について社会一般ほど意識が高くなく、(進歩的な側から見ると)問題に積極的に取り組んでこなかったことを炙り出そうとしているように読める。
果たして今回の辞職騒動がどの程度この問題を大きな背景としているかどうかについては簡単には言えないだろうと思うが、少なくとも「不適切な金銭取引」のような不祥事(?)だけが引き金ではないだろうと考える。
生徒数の減少で経営難に陥っているらしいことも要因にあるだろうが、資金面での支援者たちの意向が絡んでくることから言えば「人種問題との取り組み」のような進歩的ポリシーのナイキスト元学長と政治的保守層を背景にしている学校支援者との対立、という要因も示唆されるのではないかと考える。
とにかくこの辺の軋轢や対立はムーディー聖書学院一校だけの事情では決してなく、ここ二つの大統領選(オバマそしてトランプ)での対立軸が米福音派を襲い、指導層が選択を迫られて(その結果)分断を露呈してきたようにも見えるのだ。
※次回、(余裕があれば)問題の所在と云うか性格について、もう少し例証を使って言及してみたいと思う。
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