吸血鬼とか魔女とを題材にしたベストセラーホラー小説作家として有名(らしい)。
カトリックの家庭に育ったが18歳で「教会を去り」、後に無心論者の絵描きと結婚する。
しかし小説家として「道徳的問題」にもぶつかりながら霊的葛藤の中を潜り抜け、ついに1998年、カトリック教会に戻る。(同性愛者である息子のことで、カトリック教会の同性愛に対する立場に悩みながらも。)
その頃から彼女は「主イエス・キリストーエジプト脱出」と言うイエスの幼年期時代を取り上げた小説を書き始める。
この小説を書くにあたって彼女はヨセフスや新約聖書学者、なかでも保守的な立場のN.T.ライトの著作を参照した。
しかし彼女の小説のベースになったのは特にルカ福音書であり、福音書記述の信憑性や史実性に対して懐疑的な学者へは否定的な態度を露にした。
彼女はこれまでの自分の読者に対しても、またファンダメンタリストやリベラルなキリスト者にも、また非キリスト者に対しても、正統主義の立場(十全に神であり人である)に立った「主イエス・キリスト」を知ってもらいたいとの願いを持って書き上げたのだと言う。(2005年ビリーフ・ネット記事より要約)
と言うわけで、筆者の関心は実はアン・ライスその人ではなく、N.T.ライトに関連する存在としてであった。
実際筆者がアン・ライスという作家を知ったのは、彼女がサン・フランシスコのグレース大聖堂で行ったN.T.ライトとの対話を聞いたからであった。(このリンクから聞くことが出来ます。)
その後アン・ライスはフェイスブック上に以下のような言をもって「もう教会はやめた」と宣言し、大いに耳目を集めた。
I refuse to be anti-gay. I refuse to be anti-feminist. I refuse to be anti-artificial birth control. I refuse to be anti-Democrat. I refuse to be anti-secular humanism. I refuse to be anti-science. I refuse to be anti-life.(2010/07/29 ハッフィントン・ポスト)ただしキリスト者であることをやめたのではなく、既成教会(彼女の場合はカトリック教会)の「文化的対抗主義(そんな語あるかどうか知りませんが)」に嫌気がさした、と言うことのようです。
さてなぜ今アン・ルイスを記事に取り上げたかと言うと、(彼女の今日のツイートで知ったのですが)「主イエス・キリストーエジプト脱出」が映画化されるというのです。
それも「ハリー・ポッター」シリーズの製作陣によって。
映画化に当たってのインタヴューでアン・ライスは教会を出たことに関して質問されたようで以下のようなことばを残したようです。
“My heart and soul and love for Jesus Christ is in this book,” Rice told Examiner.com. “It really has nothing to do with my move away from Organized Religion. That had to do with many theological and social and political issues that have no connection with Jesus at all.”(Harry Potter Producer To Work On New Film About Jesus Early Life)筆者の教会では、マタイ福音書とルカ福音書の「クリスマス・ストーリー」を毎年交代で取り上げているのですが、この映画がイエスの幼少年期をどう描くのか興味深く待ちたい思います。
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