『小川圭治先生のこと』
良心主義の自己矛盾を解決するのは、良心自身、主体自身ではありえない。超越が、すなわちキリストにある神の恵みがその解決である。漱石はそれを拒んだまま「今死んじゃあ困る。今死んじゃあ困る。」と言いながら、死んでいった。ちっぽけな道端の石ころにすぎないような私は、キリストの十字架の贖いによって、あの矛盾から救われて今、恵みのうちに生かされている不思議を思う。漱石が代表する「日本近代知識人の『近代的自我』の問題」と「十字架の福音」との連絡が語られていて興味深い。
「十字架の福音」をどのような文脈で読み解くか、近代人の実存的問題として読むことも出来るし、一世紀ユダヤ人と異邦人の実存的問題として読むことも出来る。
後者に関しては、マイケル・バード師のレント説教『三つの十字架』(ガラテヤ書からの講解)を一聴することをお勧めする。
My Lenten Sermon-Three Crucifixions
音声ファイル(MP3)
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