2014年12月28日日曜日

(3)「いぶせき」考 2014クリスマス

今年も数日でしめくくり。
先日のクリスマスの礼拝から出た「いぶせき」 にまつわるエピソードをご紹介します。


2014クリスマス礼拝、にお招きした北方奈津子さん。


アルト・リコーダーで『グリーン・スリーブス』を演奏する時に披露してくださったクリスマス・エピソードを少し紹介する。

グリーン・スリーブスの旋律に付けられたクリスマスキャロル、What Child Is This、日本語では「みつかいうたいて」。
その2節の歌詞に「いぶせきうまやに 生まれし君こそ」とあるが、この「いぶせき」とは何だろう。
それで国語の先生に聞いてみた。
そしたら、鼻を押さえながら「臭いような場所のこと」だよ、と教えてくれた。
と言うわけで、クリスマスと言うと綺麗なものが一杯のイメージがあるので、何かそんなものだろうと思っていたら、意外にもそのようなみすぼらしい、不衛生な場所で一人お産をしたマリアのことを思い、ひとりごイエスがそのように身を低くして来られたクリスマスの意義に圧倒された(以上概要)・・・
と言ったようなお話だった。


この話を聞いていたHさん曰く、「この『いぶせき』が気になって、気になって…。」


Hさんは「俳句結社銀化」の同人で「葡萄の会」で作句している。

それでその句会に「いぶせき」を使用した俳句を作った。

そしてその句が(思いがけなく?失礼!)銀化主宰に特選に選ばれたのだった。
(今朝その報を伺ってこの記事を書くことを思い立ったわけ。)

いぶせける厩に生まれクリスマス
※この句は早速「銀化句会速報」の葡萄の会(平成26年12月24日)で発表されています。

特選にした選者、中原道夫氏の評は
いぶせける厩は、キリストの誕生の厩。 また、思い通りにならない誕生のひとこま。
だったそうです。


HさんはNHK.BSの「俳句王国」で中原道夫氏が主宰の時ゲスト出演したことがあるそうです。それが縁で「・・・中原先生が、結社立ち上げのときに参加」したそうです。

Hさん曰く、「銀化の句会は、全国に21ヶ所あり、『葡萄の会』は、本八幡で開かれています。葡萄の会の名称も、教会ブログには良いですよね!」とのことです。

中原氏が縁で・・・と言うことでは、この方もそうなのですね。 


ところで 「いぶせき」もそうですが、賛美歌には文語というか昔のコトバがいろいろ残っています。
最近新しい賛美歌が幾つも出てくるようになりましたが、かなり歌詞が口語表現に直されている感じがします。

ゲストの北方さんとも後で話したのですが、この「理解するのにヤサシイ表現改訂」が必ずしも音楽的ではないのではないか・・・。

賛美歌の歌詞というのは「理解するのにヤサシイ」よりも、歌う時の音感が大事なのではないか・・・と言う見方ですね。
 
また「いぶせき」のように少々ムズカシイ言葉や表現があっても、却ってそれが歌詞の意味を深く考える機会になるかもしれません。・・・とは後から思ったことですが。


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