2012年9月20日木曜日

英国新約聖書学会でのシセルトン教授

先日「ハーメニューティックス(解釈学)」の投稿記事で紹介した、アントニー・シセルトン教授が、去る9/6-8、キングス・カレッジ・ロンドンにて開催された「英国新約聖書学会(2012年度要綱)」での主題(プレナリー)講演で「新約聖書における『聖霊の神性』」について語ったことがアンドリュー・ウィルソン氏によって報告されている。(ここをクリック

講演の実際のタイトルは、
Must we rest content with binitarianism in New Testament studies?
である。

講演の内容についてはウィルソン氏の報告に譲るが、シセルトン教授が 「binitarianism(バイニタリアニズム)」と言う用語を使って言わんとしていることは、要するに新約聖書で「神」として崇められているのは「父なる神」と「(子なる神)イエス」までで、聖霊は「神」の中に含まれないと言う見方に疑問を呈し、聖霊も「神」として認められている、ということのようである。

さて 「binitarianism(バイニタリアニズム)」を展開している学者としてラリー・フルタド教授(エディンバーグ大学)の著作を引用してシセルトン教授の講演はなされたらしいのだが、矢面に立ったフルタド教授は後日自身のブログで「バイニタリアン」の意味するところを明確にしようと説明を試みている。(ここをクリック

講演ではシセルトン教授は何度も声を張り上げて(rant)「シセルトン節」を唸ったらしいことを、ウィルソン氏は楽しそうに報告している。
どうやら充実した学会だったようである。うらやましい。

筆者も一つだけ「学会」と言うものに30年以上加わっているが、全般に低調で講演テーマも余り魅力的ではないものが続き、ここ数年はご無沙汰している。

何はともあれネット上でこのような学会の様子が報告されているのを読むことができるだけでも感謝しなければならないだろう。
ウィルソン氏(博士課程の学生)やフルタド教授のブログに日本からお礼を言いたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿