昼食後、ごひいきパン屋アルルに注文していた食パンを取りに行った帰り。
何気なく横断歩道のところまで来た時に、いつもと違うスキ屋に気がついた。
あれれっ「閉店」とな。
「13年間」ありがとうございましたとある。
なんだそんなに経っていないではないか。
でも一度も入ったことがない。
たまたまであるが通りかかった時は閉店直後だったと言うことになる。
7月30日午前閉店と貼紙にある。
別にどうと言うことない日常の一異風景。
しかしこの場所と建物にはそれなりに思い入れもある。
ここは富貴ビル、と名前があるが、かつて日本そばでは地元の名店だった『富貴』があった。
ビルに建て替える前から(以前の建物のイメージは残念ながら殆ど残っていないが)何かの時には食べに来ていた。
特に思い出に残っているのは天麩羅そば。
大きな海老の天麩羅が大振りの丼に入ったそばの上に二つでんとのっていた。
味は勿論、見ただけでも感動ものの天麩羅そばだった。
何より海老天麩羅の香りが強烈だった。
揚げ立て天麩羅の放つおいしい匂い。
それだけで食欲が亢進した。
(自分は当時子供だったが)牧師たちの会合で何人か集まった時には、昼ごはんに「富貴の天麩羅そば」を皆さんご所望されて、それに入れてもらって食べたことも何度かあったかもしれない。
今でも時々「富貴の天麩羅そば」の話題が出ることがあるほどだ。
その富貴さんが新しくビルに建て替える、と聞いた時には少し心配した。
味が変わってしまうのではないかと。
立派な建物、立派な看板になった富貴は、記憶では以前と遜色なくおいしい蕎麦を提供していたと思う。
しかし多分以前のような「値段とボリューム」は維持できなかったようだ。
次第に足が遠のいていったように思う。
建て替え後、どのくらい続いたか、「長年ご愛顧頂いた富貴」が閉店した。
しばらく空いたままになった後で、スキ屋が登場したわけだ。
地元老舗の蕎麦屋からファストフードの牛丼やへ。
時代の移り変わりであった。
そのスキ屋が閉店と言うことで、むしろその前の「そば富貴」を懐かしく思い出すことになった七月も終わろうとする今日の午後の一こま。
※「巣鴨 そば 富貴」でググッてもそれらしきものは何もヒットしない。
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