2011年10月26日水曜日

ベースボールとキリスト教

「野球とキリスト教」と言う題を書きかけてすぐ書き改めた。
現在ワールド・シリーズたけなわの米大リーグの「ベースボール」と日本の「野球」はルールは同じでもかなり違う、とよく言われる。
プレーのスタイルや、球場、観客の雰囲気、そして応援の仕方やチームと地域の繋がり方など、挙げだしたら色々あるだろう。

筆者は別にプロ野球のファンでも、米大リーグにお気に入りのチームがあるわけではない。
球場に足を運んだことは記憶にあるだけでも後楽園に一回、留学中にシンシナッチ・レッズの試合を一回見に行っただけである。

さて今年のワールド・シリーズはセントルイス・カージナルスとテキサス・レンジャーズとの対戦で、目下レンジャーズの方が3勝2敗と王手をかけている。
レンジャーズの主砲ジョシュ・ハミルトン選手が今日の記事の主役である。

これはクリスチャニティー・トゥデー誌に掲載されたSuper Natural: Josh Hamilton's Comebackを読んでの感想みたいなものである。

なるほど大したカムバックである。

記事は、ハミルトンが選手として駆け出しの頃酒とクラック(覚せい剤)に溺れ怪我や何かで選手生命を棒に振っていたが、ある時を境に立ち直り現在の活躍までを綴っている。
その立ち直りの要因の中に少なからず信仰も関わっている。(自伝の中でそのことが綴られているらしい。)

さてハミルトンがドラフト一位指名でそのままスターに上り詰めていたら、変な言い方だが普通の「アメリカン・ドリーム」の話で終わるわけだろう。
しかし挫折を繰り返しどん底まで行って這い上がって現在のスーパースターダムにいることがよりドラマティックな「アメリカン・ドリーム」の達成者としている。

しかし彼は酒やドラッグに逆戻りしないように妻や、コーチや、同僚の選手たちの監視に守られている、と言う曰くつきのスーパースターなのだと言う。

彼の元には教会などから講演依頼が舞い込んでいるらしいが、彼は自分がそのような条件のもとで選手を続けていることを自覚している。自分のカムバックが周りの人たちの守りによることを承知で「証し」しているらしい。
Hamilton says it's all part of his "platform" for reaching people who deal with their own or loved ones' addictions, and for reaching people with the good news of the gospel.
果たして日本でプロ野球選手が麻薬で自滅した後にカムバックできるような環境があるだろうか。多分麻薬常習が発覚した時点で社会的にアウトだろう。
野球に限らずプロスポーツ選手は倫理的に少し高いハードルを課せられていると思う。(彼らは青少年の憧れの的であり、模範的であるべきだ、と言う考えによるものだろう。)

人生に失敗した人間に第二、第三のカムバックの機会を提供できるアメリカ(スポーツ)社会は懐が深いと言うべきなのか。それともいかにドラッグに陥りやすい環境が満ちている社会と言うべきなのか。難しいところだ。

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