「政治神学」と日本語でググって見ても先ず出てくるのはカール・シュミット。
なーんだ、と言う感が否めない。
近代啓蒙主義による「政教分離」で宗教は多分に「内心」のことに限定され、政治と言う「世俗」のこととは関わらない、と言う観念・図式が依然として支配的ではないかと思う。
一方世俗社会の方も民主政治の成熟に宗教は関与せず、ただ間接的に支えるのが教会のような中間的・地域的任意共同体と考える。(アレクシス・トークヴィル)
しかしここに来て(ポストモダン)「世俗化と民主政治の実現」にもう一度宗教が再登場するようになってきている。
筆者がハーバーマスを読み始めた頃(1980年代前半)、彼の著作には殆んど「宗教」の役割は見当たらなかった。
21世紀になる頃からか、ハーバーマスが宗教を盛んに題材にするようになった。
前教皇とも対談本を出している。
一方的な世俗化論にカトリック信者の立場を明確にして疑問を呈したチャールズ・テイラーの「世俗の時代」は広く議論されている(邦訳はまだないようだ)。
最近ある読書会でジョン・ハワード・ヨーダーの「イエスの政治」を読むようになり、続けて似たような問題や関心を扱っている。
それらのテーマや問題関心を要約する領域として「政治神学」がある。
最近では、マイケル・カーウィン「政治神学イントロ」がある。ここ
また世俗化の問題に対しては、The Immanent Frameが様々な議論を提供している。
また政治哲学者の「宗教回帰」の流れに抗するような本が紹介されている。
Victoria KahnのThe Future of Illusion: Political Theology and Early Modern Texts. ここ
インマネート・フレーム紹介記事ここ
本のタイトルは有名なフロイドの宗教批判をもじったものだ。
昨年亡くなられたロバート・ベラーも「公共神学」を提唱した方だ。
彼が若手の社会学者の中で注目していたのが、ノートルダム大学のマイケル・スミス。
彼には「解放の神学」と言う著書がある。ここ
政治神学。
なんか結構面白そうな感じがしてきた。
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