そして9月になりました。
まだ更新するほどではないですが、とりあえず(書き終わるかどうか分かりませんが)一つ。
先々週でしたか、来月に、ある催しが東京・名古屋・大阪で同時開催されることを知りました。
その催しには米国から二人の著名な神学者と牧師が講師として招かれています。
今回のエントリー・タイトルにあるようなテーマで過去にも何度か書いたことがあるので、この二人のことはそんな記事の中にも登場してきます。
二人は「新カルヴィン主義」の指導的人物です。
米国においては「新カルヴィン主義」の動きは暫く前から注目されています。
日本において、彼ら二人はまだ知名度は低いですが、彼らや彼らの神学あるいは運動を支持する(主に米国留学経験がある?)牧師たちは結構いると思われるので、今後ある程度浸透してくるかもしれません。
最初に断っておきますが、筆者はどちらかと言うとこの動きに少なからず警戒感を抱いてこれまで見てきました。
いよいよ日本上陸と言うことで、警鐘を発する意図ではないですが、取り上げるタイミングとしてはいいかな、と思って書いています。
* * *
ニューヨーク・タイムズ紙の「信仰」コラムに隔週記事を書いているマーク・オッペンハイマー氏が今年早々
Evangelicals Find Themselves in the Midst of a Calvinist Revivalと言う記事を書きました。
Increasing numbers of preachers and professors teach the views of the 16th-century French reformer. Mark Driscoll, John Piper and Tim Keller — megachurch preachers and important evangelical authors — are all Calvinist. Attendance at Calvin-influenced worship conferences and churches is up, particularly among worshipers in their 20s and 30s.神学教育を受けてきた人には改めて言うまでもないことですが、「カルヴィニスト」は16世紀のフランスの宗教改革者ジョン・カルヴィンを発祥とする神学を指します。
マーク・オッペンハイマー氏はこの記事で21世紀を迎えたプロテスタント(さらに言えばその中の福音派)教会に起こっている新たな動きとしてカルヴィンの神学をルーツとする牧師たちの影響が顕著になっていることに注目します。
そしてその影響が比較対照されるのは、所謂「繁栄の福音」タイプのメガ教会牧師(例えばジョエル・オスティーン) なのです。
そしてさらに彼らの(神学的)影響が20代から30代という若い層に及んでいることに注目しています。
例えば20年前、会員数低下に喘いでいた、首都ワシントンのキャピトル・ヒル・バプテスト教会に牧師招聘されたマーク・ディーバー牧師の場合・・・。
(当時は南部バプテスト連盟はリベラル路線を行っていたと思いますが、ですからカルヴィン主義のディーバー牧師はインタヴューでは自身の神学的立場を気にしていたと思われますが)
そのインタヴューで、 ディーバー牧師は予め自身の立場を明らかにしておきたいと「カルヴィニスト」のことを話したそうですが、殆ど不問に付されたそうです。
(ある意味「神学的立場」がどうでもいいほど教会が追い込まれていたと、言うことでしょうか・・・。)
何はともあれ、就任当時平均礼拝出席者数70名(会員数130名)から、 現在では一千名。しかも平均年齢が30歳、と言う変化を遂げたそうです。
ディーバー牧師は「カルヴィニズム」については特に説教で語ることはないそうですが、教理的な教えが反映された説教は若い会衆たちのニーズに応えていることが見て取れます。
会衆の一人、ワールド・バンクに勤めるサラ・ロットマンさん(34歳)は、神の言葉である聖書を中心にした説教、罪の問題とその解決としての救いの必要を語る背景に「カルヴィニズム」の神学的背景を感じているようです。
そしてこの「罪の深刻さ」を焦点から外さないところが、福音派の中でも「繁栄の神学」で注目されてきたメガチャーチと好対照になるわけです。
(次回に続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿