2014年9月7日日曜日

(4)新カルヴィン主義動向②

前回からうまく繋がることは保証しません。あしからず。

このシリーズのタイトル「新カルヴィン主義」を少し説明します。

「新カルヴィン主義」には元となる英語で次のような幾つかの表現があります。
①Neo-calvinism
②New Calvinism
③そして前回紹介したマーク・オッペンハイマーの記事で使われていた、a Calvinist Revival

①はアブラハム・カイパーに代表されるオランダ改革派神学運動を指します。
③は主に「カルヴィン神学の再興」に焦点が当てられていたようです。

と言うわけでこのシリーズの関心はどちらかと言うと②になるわけですが、New Calvinismがマスメディアで使われだしたのは多分この5年ないし10年くらいではないかと思います。(ウィキ『New_Calvinism』参照

2009年にTIME誌が
10 Ideas Changing the World Right Now
と言う記事を特集したのですが、その一つにThe New Calvinismが入ったわけです。

そしてこの新しい動向の筆頭に
the pioneering new-Calvinist John Piper of Minneapolis
と挙げられたのが前回名前を伏せましたが誰あろう10月にLOVE JAPANで来日するジョン・パイパーです。

と言うわけで今回はこのジョン・パイパーに少し注目します。


パイパーは今年4月、福音主義改革派の牙城ウェストミンスター神学校で講演をしました。
そのタイトルがThe New Calvinism and the New Communityでした。


この講演で彼は「新カルヴィン主義」を12ポイントで要約しています。

(興味のある方はこちらの記事をご覧になれば12ポイントが分かります。)

一応この動画を1回観ただけなのですが、これは単に 「新カルヴィン主義」を説明しただけのものではないのが分かると思います。

講演が The Gaffin Lecture on Theology and Missions となっていますが、その名が取られたリチャード・ガフィン(・ジュニア)はウェストミンスター神学校の聖書神学と組織神学の現役名誉教授です。

パイパーはこのリチャード・ガフィンが、2005年に「信仰義認」解釈をめぐってN.T.ライトと「対決」し、ライトの「『パウロ研究』の新しい視点」解釈に対し、宗教改革、改革派解釈を「保守」したことを賞賛気味に言及しています。


パイパーが「信仰義認」をめぐってライトと論争をしたことは有名ですが
(パイパー、The Future of Justification、2007年 対 ライト、Justification、2009年・・・)、
言って見ればこの新カルヴィン主義の定義においても、「『パウロ研究』の新しい視点」解釈との神学対決を継続していることが分かります。

(次回に続く)

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