2012年7月19日木曜日

香山リカ発言

先日の代々木公園での「反原発集会」での香山リカ氏の発言が色々取りざたされている。

原発推進派を精神科医として「心の病気」と発言したことにほぼ非難・批判が集中している。

当日の香山リカ氏のスピーチ全体を書き起こしたものをここで読むことができる。

肝心の場所はこう言う文脈での発言となっている。
去年3月11日、大震災のあと、福島第一原発であの事故が起きたときには
私たちはみんな、そのときは気づいたはずです。
私たちは持ってはいけない発電所を、原子力発電所を持ってしまった。
これは大変な失敗をした。これはただちに、この原子力発電から私たちは卒業して、二度とこのような事故を起こしてはいけないということに気付いたはずなんです。
ところが、それからわずか一年あまりしか経たないのに、それこそ、舌の根も乾かないうちに、もう再稼働。
(中略)
原発維持や推進をしようとする人たちは、
私、精神科医からみると、心の病気に罹っている人たちに思えます。
(そうだそうだ、と会場からひときわ大きな拍手)

しかも、この人たちの病気は残念ながらもう簡単には治りそうにもありませんが、私たちはそれでもその人たちに対して、なんとか声をあげていかなければいけない。
そんな、心が病気に罹っているような、そういう状態で原発再稼働などと叫んでいる人たちに、私たちの命や生活や未来が奪われるようなことはあってはならないという風に思います。
(拍手)
10万人(以上?)が集まったとされる集会で登壇しスピーチする人にはどんな期待がかけられているか、それは初めからはっきりしている。
問題は自分の立ち位置や専門性からどんな発言が出来るかだ。

香山リカ氏はこの時「精神科医」として自分の反原発発言を補強しようとしたのだろう。
果たしてこのような事態に立ち至っても「原発再稼動」をしゃにむに進めようとする人たちは精神科と言う「専門分野」からの見立てとして「病気」に相当するのかどうか。「病理的側面」が見られるのかどうか。その具体的な見立て、あるいは分析とその根拠は発言の中に入っていない。

香山リカ氏が他の言論人や同業者から批判を浴びているのは、この一方的な発言の故ではないかと思う。

ただ「心の病気」と言う表現の妥当性はさておき、(潜在的)大多数の国民の反原発感情を知りながら原発再稼動を急ぐ「推進派」が病理的側面を持っているかどうかは検討されてもよろしいのではないかと思う。

香山リカ氏はこの時の「言論」で大顰蹙を買ってしまったようだが、問題は「原発」の今後について国民がどの程度関与できるのか、だろう。

首相官邸前で継続されるデモ行進は「もっとしっかり国民の声を聞け」と言う主張ではないか。

今のところ現政府が「原発」に関し「しっかり国民の声を聞こうとしている」風には見えない。

やはり「声をあげる」事は今大事なことであるように思う。




0 件のコメント:

コメントを投稿