Darrell Bock on the Non-Pauline gospel of the Speeches in Acts
英国アバディーン大学で長らく教鞭を取った福音派を代表する新約聖書学者、ハワード・マーシャルの記念論文集に、『福音書以前の福音ー福音ナレーティブ説教の中核』と題する論文を寄稿したダラス神学校のダレル・ボック教授が使徒行伝での福音説教を分析しながら、「キング・ジーザス・ゴスペル」のスコット・マクナイトと同様な見解を展開しているようだ。
マイケル・バードはボック教授のような「福音」理解は、福音主義の中に「福音」の基本的な理解について二つの異なり対立する構図が出てきているのではないかと指摘している。
① the Paul-justification-forensic view (e.g., Dave Gilbert, What is the Gospel?)
② the Gospel narrative-Lord Jesus-multiple-salvation-images approach (e.g., Tom Wright, Scot McKnight, John Dickson, Darrell Bock)
マイケル・バードは歴史的に見て、これまでパウロ書簡(ロマ書、ガラテヤ書等)から引き出された①の「福音」観が、②の「福音」観を覆い隠してきたのではないかと指摘している。
筆者はスコット・マクナイトの「キング・ジーザス・ゴスペル」を別ブログで解説している手前、このマイケル・バードの指摘が興味深かった。
聖書学の流れが②の探求にこれから更に向かっていくのではないか、と期待している。
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