2011年8月8日月曜日

トイレのないマンション

「脱原発と言ってもねー。今までのライフスタイルを急に変えることできるかしら。」
「エアコンも、パソコンも、色々我慢しなければならなくなるよねー。」
「電気の消費を抑制すると言うことは、工場の稼動も抑えられ、消費活動も減少し、結局経済が低迷することになるんじゃないかしら。」
「汚染された肉や魚を捨てるなんてもったいない。多少の汚染だったら食べちゃうわよ。(発ガンする頃にはどうせ死んでるかも知れないんだし。)」

礼拝後の皆さんの会話から「原発関連の話題」は消えない。
それもそうだ。東京電力福島第一原発事故以来、様々な放射能汚染に関する情報が次々と提供されているのだから。
ボキャブラリーも大分増えた。最近ではホットスポットとか・・・。

今日の誰かさんのツイートでは「東京都豊島区巣鴨の土壌検査でセシウムが6万ベクレル出てます。東京都の東側半分は汚染度も高いです。」ってのが出てきた。根拠は示されていないが、民間で自分たちの住んでいる場所の土壌汚染測定を進めている人たちがいるのだろう。

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追記:
この調査結果は市民団体によるもので、昨日、8月8日に記者会見とともに発表されました。
以下のリンクで会見の模様や資料がご覧になれます。
「首都圏150ヶ所  放射能土壌調査会見」
「汚染の実態 首都圏土壌調査の結果」
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で、「脱原発」の話題になるわけですが、
皆さんご承知のように、「トイレのないマンション」と言う間抜けた喩えは、使用済核燃料最終処分対策が確立していないのに原発を推進している姿を描写するために度々使われてきた表現です。
立派なマンションだが建設してからトイレがないのにはたと気付いた。
いやそうではなく、先ず原発推進があり、トイレ設計はなかなかいい案がないので後回しになった、と言うことでしょう。

東京電力福島第一原発事故以来、「反原発」「脱原発」は世論としては圧倒的だと思うのですが、現実問題として突きつけられるのが、代替エネルギーをどうするのか、電気のない生活をどの程度我慢するのか、高コストの自然エネルギーを受け入れられるのか、と言ったことです。

また多くの人たちは大気や水や食物など生活圏に忍び寄る放射能汚染を理由にして「反原発」「脱原発」を提唱する人たちも結構います。

またある人たちはそもそも地震列島である日本に原発は無理だ、と言う論拠に重きをおく人もいます。

それぞれもっともな議論だと思いますが、筆者はやはり「使用済核燃料」問題が原理的に原発と言う技術を根底から否定すると思います。

放射能汚染が低かろうが、地震に耐えられる原発が建設できようが、使用済核燃料という問題を解決できない以上、原発技術は根本的にアウトだと思います。

使用済核燃料を地下300メートルに保管できたとしても、責任もって保管できるのはせいぜい100年程度のものでしょう。しかし高度に汚染された放射性廃棄物は10万年単位でないとなくならないという事実。

つまり原発を続ける限り人類はどんな処理施設を作ったとしても、子々孫々にこのゴミを残してしまうことになり、どう逆立ちしてもそれは責任を取ったことにはならないでしょう。

大手の新聞も大分「脱原発」に舵取りしてきているようです。
次は経済界と政治が決断出るかどうか、と言う大きな問題が残っています。
利権構造にがんじがらめになって英断が出来ない、優柔不断な政治・経済を脱原発の方に世論が誘導して行く時代ですね。

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