2011年8月24日水曜日

日本人のキリスト教リタラシー

題だけは論文みたいに聞こえるけど記事の中身は至って軽い。
要するに今日たまたまツイッターで目にした「キリスト教」に関連する日本人の一般的知識がどれほどのものか、を想像させる二件。

① "the gospel truth"
毎日jp(毎日新聞)の「英語クイズ」にこんなのが出てきた。
Question
ゴスペルミュージックは教会で耳にする音楽。では「gospel truth」の意味は?
  •  絶対的真理
  •  真実の愛
  •  奉仕活動
で筆者は「絶対的真理」では余りにも素直なので、少しひねって二番目の「真実の愛」を選択した。で、回答を見たら、
Answer
× 真実の愛
回答:【絶対的真理】
例文:He said his story was the gospel truth, but I didn't believe it.
gospel truth は「毎日ウィークリー」8月20日号15面の星占いに出てきました。今週の運勢をチェックしながら、英語も勉強しよう!
正解率 49.1 %
と言うことで、慣用表現としての"the gospel truth"に関しては筆者は無知であった、と言うこと。
英語クイズなのに、聖書(神学)的な理解でアプローチしたのがまずかったなー。

ちなみにネット辞書で調べたら、
Idioms & Phrases
gospel truth
Something that is unquestionably true. For example, Every word he uttered was the gospel truth . The word gospel , which comes from the Old English god spel , "good news," has been used to describe something that is thought to be as true as the biblical gospel (that is, undeniably true) since the 13th century. The current idiom originated in the 1600s, when it referred to biblical truths, and has been applied to truth of a more general nature since the late 1800s. Also see take as gospel.
The American Heritage® Dictionary of Idioms by Christine Ammer.
Copyright © 1997. Published by Houghton Mifflin.
まあキリスト教文化圏で「聖書の真理」が絶対的に見られる環境の中で、それが「gospel truth」と表現されるようになり、更に一般的な言い方として用いられるようになった。と言うことなんですね。

新約聖書神学的には、ただ今「ゴスペル」自体が何を指すかが論議の対象になっています。その視点からは問題は「ゴスペル」の中身で、それが定まってからその真理性とはいかなるものか、と言う問題が出てくるのだと思います。

②「ふしぎなキリスト教」 (講談社現代新書) [新書]、橋爪 大三郎 (著), 大澤 真幸 (著)
が今話題になっています。
と言うかここ一年位の間に雑誌なんかで「キリスト教特集」のようなものがブームになっているようです。この流れに乗じて企画・出版されたのかもしれませんね。

筆者はもちろん手にとって読んだことはありませんが、ツイッターでフォローしている、@synodos、が「『ふしぎなキリスト教』のレビューがえらいことになってるな。」でリンクを見てみました。
そうしたらたら、アマゾン・ブックスのカスタマー・レヴューでその本の内容のお粗末さ、特にキリスト教の基本的知識さえ怪しいレベルで適当に対論をやっている、と手厳しい批判を浴びています。

で、思ったのですが、所謂知識人とされる大学教員同士でも、キリスト教に関する言説がかなり粗雑な知識で討論されたものが公刊される、と言うことは、一般大衆が求めている「キリスト教知識」にある程度親和しているのかなー、と。

キリスト教関係図書がプチブームな時に残念ですが、発想を変えて言えば、キリスト者側から一般大衆に発する「キリスト教入門書」が欠けているのかな、と。

と言うわけで「日本人のキリスト教リタラシー」は、もしかしたら今のような時こそ底上げする機会なのかも知れませんね。

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