2014年4月23日水曜日

(4)英語圏ブログ紹介⑫

今回ご紹介するブログは
Sheffield Biblical Studies


ジェームズ・クロスリーがブログ主だ。

まずは最近のポストからご紹介しよう。

この動画をご覧あれ。


現英国首相、キャメロンのイースター・メッセージだ。

キリストの名前を出しながら「隣人愛」をそれとなく話題にしたり、「アルファ・コース」と言うニッキー・ガンベル牧師が開発し今や全世界で用いられている伝道プログラムが服役者の更生に役立っていたり、貧困者や弱者救済など、宗教の社会的役割を支援する、と語っている。

宗教(キリスト教)と政治、と言えば北米の「大統領就任スピーチ」や他のスピーチでしばしば「God」に言及されることはよく知られていることだ。

クロスリーは歴代首相の政治的スピーチで「キリスト教」、特に「隣人愛の教え(欽定訳が用いられる!)」のようなものに言及されるのは、キャメロン首相に限ったことではなく、ほぼすべての首相がそうしてきた、と指摘している。David Camerons Latest Bible

最近40年の間ではマーガレット・サッチャー首相が特にそうだったと言う。
Thatcher was the most explicit and influential political user of the Bible among political leaders over the last 40 years.
よりあいまいな「アルファ・コース」も含め、キャメロン首相の聖書やキリスト教を動員するスピーチの狙いは、本来(福祉)国家がなすべき役割を、敬虔なキリスト者たちが肩代わりしてくれ、と言う信号だ、と分析している。

新約聖書学が本職ながら、現代政治の文脈でどのように聖書やキリスト教が用いられているのかを分析するジェームズ・クロスリーのような研究は、宗教社会学が専門とするところだが・・・。

とにかく大学で宗教/キリスト教を教えるとは、このような領域でもその学問的関連性(relevance)を発揮することを求められているのかもしれない。

※二つ目の動画はミスター・ビーンの保守政治家をパロディーにしたもの。相変わらず笑える。

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